花のワルツ・ガーデニングエッセイ 第14話 バラの種類、主にシュラブ系ローズの特徴

シュラブ系ローズ

バラは大きく分けて

1)木立系ローズ、2)シュラブ系ローズ、3)クライミング系ローズの3つの種類があります。25年ほど前は、主に木立系とクライミング系の2種類しか流通していなかったために、判り易かったのですが、新たにオールドローズの樹形を基本にしたシュラブ系ローズが流通し始めてからバラの幅が大きく拡がりましたが、以前に比べると判りにくくなっています。

「シュラブ系ローズ」が登場してから20数年経ち、イングリッシュローズやデルバール(一部除く)ギヨー、ドリュなどのブランド化されたフレンチローズが一般的になり、多くの人がシュラブ系ローズに親しむようになりました。しかし近年、新たにバラの世界に入る人たちも、たくさんおられるので、ここで改めてシュラブ系ローズと木立系ローズ、ついて簡単に触れたいと考えます。

 

「シュラブ系ローズ」とは、

一言で平たく言えば「枝が細くて多い、やや横拡がりのバラ」で、樹形を「高さ≧幅」と簡単に表現することができます。更にこれを悪い言葉で表現すると「枝が密集したヤブ的なバラ」とも言えるのです。一方木立系ローズは、枝が太くて少なく、横拡がりにならず、ややすっきりとした「高さ>幅」の樹形のバラと表現することができます。

ご存知のようにバラの原種は、野バラのように細い枝が密集して、横に拡がっていく樹形ですが、それが長い時間をかけてオールドローズの「シュラブ系ローズに改良され」、更に20世紀まじかにハイブリッド・ティの木立系(ブッシュ)に改良されましたが、近年再び多彩なカラーと花数の多いガーデンローズの目的にかなうバラとして「シュラブ系ローズ」に改良されています。

 

バラの基本的な性質に「頂芽優勢」があります。

「頂芽優勢」というのは園芸用語で簡単に言うと、枝の先端に栄養を集中させ花を咲かせることで、逆に言えば枝の先端しか花を付けないことです。クライミングローズはこの性質を利用して、枝を横に誘引し脇枝を切り取り、その付根が頂芽にさせて枝を出しすことによって、その先端に花を咲かせます。

バラの「頂芽優勢」の性質は、枝が少ない木立系(ブッシュ系)ローズより、枝が密集するぐらい枝が多いシュラブ系ローズの方が、圧倒的に花数が多くなるため、ガーデンローズとして庭を彩るバラとして、近年主流になってきたのです。またシュラブ系ローズは、半ツル性にもなる大型の品種が多く、細い枝はアーチやオベリスクの誘引にも適しているため、オールドローズ系の優雅な花形と優しい花色、そしてオールドローズ譲りの香りと共に庭づくりの素材として多くのバラファンの心をとらえて来ました。

 

ガーデニング素材としてのバラ

前回、触れましたがガーデニングでバラを素材として使用する際、庭木、草花と調和を取ることが庭づくりに必要となります。バラの選択にも主役、準主役、脇役をどう配するかが楽しい作業になりますが、木立系(ブッシュ)系に分類されているフロリバンダは庭づくりの素材として、或いは手のかからないバラとして欠かせません。また木立系(ブッシュ)系の女王のハイブリットティも存在感のある花色が多く、挿し色として使用すると効果的です。

クライミング系ローズには、四季咲き中大輪系のクライミングローズと、小輪房咲きで一季咲きのランブラーローズがありますが、どちらもガーデンの主役、準主役を演じる欠かせないバラたちです。

 

5,000年の歴史を踏まえて

バラは5,000年もの長い発展の歴史があります。紀元前からのバラも200年前のバラも、現在のバラも同時に楽しめる不思議な世界です。1つの庭という狭い空間で、人類2000年の英知を楽しめるものは、音楽を除いてはそう多くはありません。

バラは複雑に絡み合って人の手によって発展してきました。バラの歴史を振り返ると、いつも人間の美しさに対する飽くなき希求を感じぜざるを得ません。バラはその一つの象徴です。下記は以前バラの歴史をまとめてみた表で、ハイブリットムスクとノアゼットについて前回、前々回で触れましたが、今後機会があるごとに、他の個々のバラのグループについて、触れて行きたいと考えています。眼の前に咲くバラが、ある日突然地上に形を現したのではありません。バラは何千年に亘って名も無い多くの人々によって、受け継がれ継続されて来たのです。バラの歴史を辿ることは、日本という小さなエリアでなく、全世界的規模での美しいものを求めて来た私たち人間の美に対する想い、執念を感じてしまいます。そんなことを考えるとバラも芸術の一つなのかなと想います。

 

 

 

 

 

 


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